ビルエバンスvsウィントンケリー
お盆も終わると、そろそろ、Autumn Leaves の気分です。
このお二人のピアニスト、対象的なタイプなんですが、どちらも、マイルスデイビスグループのピアニストさんでした。この枯葉の演奏、個人的には両方とも、大好きで、選びきれません💦
マイルスは、自分の理想の音を探求するため、ピアニスト選びには、冷静かつ、アグレッシブだったようです。
数々のピアニストと共演していますが、ビルエバンスとウィントンケリーには一目置いていたのではないでしょうか?ウィントンケリーのことは、ガーランドとエバンスのハイブリッドだ、と言っていたようです。褒め言葉?なのでしょうか?あ、又は、ケリーのことは、その他に、マッチの火のようだ、と言ってたようです。彼がいないと始まらない、と。
レッドガーランドのスイング感満載の力強いプレイから、このままでは、変わり映えしない、ジャズサウンドの改革をしたい、と考えたマイルスは、ガーランドから、ビルエバンスに移行させましたが、エバンスは、諸事情により、1年足らずでクビになり、そこでウィントンケリーを後任ピアニストとして、迎えました。にもかかわらず、
「カインドオブブルー」という最高傑作アルバムの作成時には、ビルエバンスを呼び戻してるんですね〜しかも、レギュラーのケリーには、1曲しか演奏させてないのです。あとの4曲は、全部エバンスプレイです。でも、これはいたしかたなかったのですね。エバンスでなければ、あのアルバムは、成立しなかったのですから…実際、エバンスの曲も使われましたので、エバンスカラーのアルバムです。
マイルスは、これまでのジャズの常識を打ち破る「モード」のアルバムを作りたかったのです。それには、エバンスの音楽的知識、センス、がどうしても必要だったのですね。
おそらく、決してウィントンケリーを否定したわけではなく、ケリーはケリー、エバンスはエバンス、なのだから、適材適所に人材選びをしてる感じですね。
2曲目のブルースは、ウィントンケリーが演奏していて、まさにベストチョイス!
ケリーは、マイルスのアルバムに対するそんな思惑などよそに、マイペースなぐらい、スインギー、リズミカル、ケリー節満載で、とても素晴らしいソロを聴かせてくれています。他のメンバーも、ケリーのリズムプレイで気持ち良くソロを取っているように感じます。従来のスタイルで慣れているので、メンバーも安心のびのび演奏の感じに受けます。対象的にその他の曲の時は、緊張感溢れた、研ぎ澄まされたサウンドに感じます。
1曲目の「So What」で、新しい風、モードを紹介し、2曲目で、同じテンポ感のブルースをチョイスし、安定の演奏を聴かせています。
まるで、どうですか?新鋭モードと従来ブルースは?と、オーディエンスに問いかけているようです。このブルースの曲が、全体の中で浮くぐらいで調度良いのかもしれません。
なので、2曲目は、ウィントンケリーが演奏して正解ですよね。ここで、エバンスが、2曲目ブルースを演奏したとしても、このアルバムは、メリハリのないものになっていたのではないでしょうか?
こんな細部に渡っても、マイルスって、ミュージシャンとしての才能もさることながら、企画力に優れているなぁ〜と感心させられます。
ということで、久しぶりに、カインドオブブルーを聴いて、色々な事を考えている、そんなお盆です。
ここまでお付き合いいただきまして、ありがとうございます😊
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